まあまあ本格的な通貨小説
![]() | 狼と香辛料 (電撃文庫) |
今までほとんど足を踏み入れたことは無かったのだが
日経新聞に紹介されていたため、
なんとマンガコーナーに並べられていた本書を手に取ってみた。
シニョレッジや秤量/計数貨幣の差、変動相場制にまで触れた、一般の小説でも
佐藤雅美の『大君の通貨』くらいでしかお目にかかれない
まあまあ本格的な通貨小説なのであった。
剣も魔法も出てこない一種の商業(?)ファンタジーが
それでも人気を博しているという点は大変興味深い。
引用元:まあまあ本格的な通貨小説
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第5巻で、一旦は近づいたホロの故郷から敢えて遠い街への行商に出るとロレンスとホロが決めたことは、商業的成功を受けてのシリーズ延長であると思われても仕方がない状態であった。
ここで著者は、その状況下でどうやって間延びせず、ご都合主義に陥らずに物語を進めていくかという試練を抱え込んだと思う。実際、第6巻では、5巻が盛り上がりすぎたせいもあるが、やはりテンションの低下は否めないと感じた。
しかし、本巻では見事にその課題をクリアして見せた、と思う。
その理由は、
まずは、本巻ではホロは完全に脇に回り、しばらく続いた恋愛のメインの話は中断。
初期のように、商売の話を前面に出して、萌え要素で売っていこうという安易な道に走らなかったこと。
次に、エーブというキャラをより魅力的に描き、今後もロレンスとホロの関係をかき回すであろう(?)存在として確立したこと。
悪女エーブを、不幸な境遇で歪んでしまったけど根は寂しがり屋の優しい女性、なんて分かり易いキャラにせず、そういう一面と共に、いつ裏切るかも知れぬ守銭奴の一面をも確かに同居させた人物として描いたのは大成功ではないだろうか。
そして、そんなエーブは男性としてのロレンスに興味を持ち、ロレンスも、ホロという存在がありながら、才と胆力に溢れるエーブにどこか惹かれてしまう・・・この辺りの男女の機微は、これまでの本作ではなかった展開が期待できそうである。
そして、私が今後のストーリー展開の足枷になるのではと何より危惧していた、コルという新しい旅の仲間を加えたことについて、説得力がある理由が示されたこと。
本巻ではホロがまったくの同情や気紛れから言い出したわけではなく、自分とロレンスの関係をいつまでも新鮮なものであり続けさせたい願った面もあること、ロレンスもそれに気付いていることが明らかにされた点は高く評価できる。
この先コルが最後まで旅を共にするか、途中で卒業していくのかは分からないが、この設定があれば、コルについても後味が良いストーリーが期待できそうである。
売れた作品が安易に萌え要素に偏った内容になっていくことはしばしば見られるが、
本作者はとりあえず、大きな難関をクリアしたといえるのではないか。
今後も読み続けたいと思わせるに十分なクオリティだと思う。
一旦遠ざかった方、再読はいかがですか^^?
引用元:
ここで著者は、その状況下でどうやって間延びせず、ご都合主義に陥らずに物語を進めていくかという試練を抱え込んだと思う。実際、第6巻では、5巻が盛り上がりすぎたせいもあるが、やはりテンションの低下は否めないと感じた。
しかし、本巻では見事にその課題をクリアして見せた、と思う。
その理由は、
まずは、本巻ではホロは完全に脇に回り、しばらく続いた恋愛のメインの話は中断。
初期のように、商売の話を前面に出して、萌え要素で売っていこうという安易な道に走らなかったこと。
次に、エーブというキャラをより魅力的に描き、今後もロレンスとホロの関係をかき回すであろう(?)存在として確立したこと。
悪女エーブを、不幸な境遇で歪んでしまったけど根は寂しがり屋の優しい女性、なんて分かり易いキャラにせず、そういう一面と共に、いつ裏切るかも知れぬ守銭奴の一面をも確かに同居させた人物として描いたのは大成功ではないだろうか。
そして、そんなエーブは男性としてのロレンスに興味を持ち、ロレンスも、ホロという存在がありながら、才と胆力に溢れるエーブにどこか惹かれてしまう・・・この辺りの男女の機微は、これまでの本作ではなかった展開が期待できそうである。
そして、私が今後のストーリー展開の足枷になるのではと何より危惧していた、コルという新しい旅の仲間を加えたことについて、説得力がある理由が示されたこと。
本巻ではホロがまったくの同情や気紛れから言い出したわけではなく、自分とロレンスの関係をいつまでも新鮮なものであり続けさせたい願った面もあること、ロレンスもそれに気付いていることが明らかにされた点は高く評価できる。
この先コルが最後まで旅を共にするか、途中で卒業していくのかは分からないが、この設定があれば、コルについても後味が良いストーリーが期待できそうである。
売れた作品が安易に萌え要素に偏った内容になっていくことはしばしば見られるが、
本作者はとりあえず、大きな難関をクリアしたといえるのではないか。
今後も読み続けたいと思わせるに十分なクオリティだと思う。
一旦遠ざかった方、再読はいかがですか^^?
引用元:
