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これぞ北方三国志

文庫版 三国志完結セット 全13巻+読本
三国志演義を基にした吉川三国志と比べると、やはり正史が基の北方三国志はストーリーとしては盛り上がりに欠ける。
だが個々の人物描写を詳しく描くことで、戦闘シーンや英傑達の姿が頭の中に映像としてはっきりと浮かんでくる。

吉川三国志が好きな自分としては、序盤は物足りなさを感じつつ読み進めていた(描写がしっかりしているだけに、その人物の心の奥を想い想像して心に訴えかけてくるということが少なかったように思う)
だが読み進めていくうちにいつの間にか引き込まれていく。
少ししつこく感じていた人物描写の詳しさが、逆にひとりひとりの人物像をはっきりとさせ、
目の前で映画を観ているかのように生々しく浮かんでくるのだ。

曹操も呂布も孔明も馬超も他の英傑達も、それぞれ一人の人間としての魅力を存分に魅せてくれる。
三国志の英雄達が、凡人には到底手の届かない非凡さ、剛勇、知略を持っているのは勿論そうなのだが、北方三国志ではその英雄達の苦悩や思いに何か手の届きそうな身近さも感じさせてくれる。漢としての生き様も。

新たな切り口で三国志を魅せてくれる秀作である。
引用元:これぞ北方三国志
文庫版 三国志完結セット 全13巻+読本
 私事で大変恥ずかしい話ですが、かなり昔の私の小学校時代に「三国志を漫画にするという話を聞いたが・・・」と前置きして、漫画をバカにしていた教師がいました。「漫画ばかり読んでいて活字離れが起きている」ことを心配しての発言だったかもしれないのですが、(「近頃の若者は」的雰囲気は別として)かなり違和感があったことは覚えています。
 というのは、三国志のように古い時代になりますと、どのような服装で、どのような家に住み、どのような武器を使っていたのか。どうしてもビジュアルに想像することができず、小説だけでは浅い読み方しかできないと感じたからです。
 その後、少年ジャンプの「こち亀」に「メディアミックス」という広告会社の用語が出てきて、「頭コチコチの大原部長が両津にバカにされ、漫画を読みこなして、小説も読む」という内容の話が出てきて、それ以来とくに漫画は重視しています。
 本書の三国志は漫画ですが、吉川英治の小説を忠実になぞりつつ、さらにそれを超えて拡大した歴史ロマンの表現になっています。小説に忠実に描くことも大変だと思いますが、さらに内容を膨らませようとするところは、この横山光輝がだだの作家ではないことを物語っています。仮に横山光輝が小説家だったとしても一流だったのではないでしょうか。
 そういう漫画です。
引用元:

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