20世紀末ビール業界の激動
![]() | ビール15年戦争―すべてはドライから始まった (日経ビジネス人文庫) |
引用元:20世紀末ビール業界の激動
![]() | ビール15年戦争―すべてはドライから始まった (日経ビジネス人文庫) |
1958年生まれのフリージャーナリストが2002年に刊行した書き下ろしの本。日本のビール産業は100年を超える歴史を持ち、戦後はキリン、サッポロ(東日本中心)、アサヒ(西日本中心)、後発のサントリーの4社(ないしオリオンの5社)の寡占体制の下にあった。1953年の3社拮抗状態の後、家庭用ビール販売を伸ばしたキリンが首位に立ち、70年代には市場シェアの6割強を制し、2位サッポロ(2割前後)を大きく引き離した。他方アサヒは凋落の一途をたどり、旧住友銀行出身者を社長に迎えて再建を図るが、サントリーに追い上げられる一方だった。1987年、存亡の危機に瀕したアサヒが「刺身に合う」苦味の少ない辛口のスーパードライを大ヒットさせ、各社もそれに追随するや、成熟産業とされていたビール市場が拡大し、続いてサントリーが1994年に発泡酒(麦芽構成比率65%)を開発し、翌年サッポロがそれに追随する(麦芽比率25%未満)と、節税による安売り競争も勃発し、1990年代のビール業界は激しいシェア争いを展開した(工場閉鎖、営業合戦、総合酒類化・事業構造改革、CM合戦等)。その背景には、グローバル化、IT革命、ディスカウントストア・コンビニの普及等の社会変化があった。1999年、アサヒはラガーに固執したキリンからビール市場での首位を初めて奪取し、2001年にはビール・発泡酒市場全体での首位に立つ。本書はこの主として1987〜2001年のビール4社のシェア争いを当事者へのインタビュー等を通じて再現しながら、企業の強さの本質や組織・個人が変わるための条件などを提示することを目的として書かれている。巻末には当該時期のビール・発泡酒の銘柄リスト、市場シェア・出荷量の推移のグラフが付いている。ビジネスマン向けの実用的な本であり、4社の性格の差異や個人の努力の方向性が分かる。
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