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行き場のない心

蛇にピアス
個人的にとても感じるものがあったので星5つにしました。
芥川賞はこうあるべきだとか、既成の概念がきっとあるのだと思いますが、そういったものは私にはわからないのでその視点から何か述べることはできませんが
芥川龍之介の書く緻密な文章とは全く別物だとは思いました
文章があって、構成があって、その中に精神がある文章ではなくて、精神と手が直結している文章だと思いました。文字に起こしてみて初めてそういうことなんだ、というか。気持ちが文章を生んでいるから、文章に必要なある程度の論理もないし、理解し難いのだと思います。こう思うからこうなるみたいなのがない。感情の流れが最初から最後まで衝動的で、動物的。でも理性がないわけではなく、街があって人がいて、だからこそ自分じゃない何かになりたくて、なれなくて、でもなりたくて、何もかもから自由になりたがっているというか、これを現代の若者の感情の一部と言えばそれまでですが、理性の下にある本当の本質的な悲鳴なんだと思いました。本能は叫んでたいが、でもその危うさも知っているんだと思いました。この物語を通じて、社会の中にいる人という存在が透けて見えるように思います。
誰かに何か意思があって伝えようとしている文章じゃないし、作者自身の中で留まっているというか、推測になりますが、おそらく作者も把握できてないのでしょう。
最初はグロテスクな描写に多少ひきましたが、それだけではない文章だったので、私は問題ないと思います。
刺青も平行してるけど、ピアスを題材にしたのは素敵だと思った。


引用元:行き場のない心
蛇にピアス
以前から読んでみたいと思っていた金原ひとみさんの作品ですが、AMEBIC、アッシュベイビー、そしてこちらの順番で読み進めました。逆順だったらまた評価も変わったかもしれません。その位、一読しただけの印象で片付けるにはもったいない作家さんだと思いました。

確かにデビュー作とあって色々と未熟さ?が引っかかる点はあります。取り上げたアンダーグラウンドな題材についての描写がいまいち。野球素人が野球を題材にしたような稚拙さは否めません。また、時々印象的な一説はあるものの、全体から浮いている。「この一説をどこかで挿入したかったのだろうけど、ちょっと不自然かな」と思える箇所がいくつか。文章の技術といった面では粗削りです。

しかしそういったマイナスをカバーしてしまう程の才能を私は感じました。最初から最後まで読むのを止められない疾走感、焦燥感。
また刺激的な題材を用いているにも関わらず近頃溢れている「こんなにアブないイケてるアタシ」のような安っぽい小説とは一線を画していると感じる。後続の作品にも共通することですが、彼女の書く心理世界には、例え前述したマイナス面をおいても群を抜いたリアルさがある。決して美しくない。むしろ醜く、リアルすぎて嫌悪感すら覚えることもある。そこが実に人間らしく、つい惹き込まれてしまう。そんな魅力があると思います。

この蛇にピアスという粗削りな原石は、確実に磨かれて進化し続けています。その成長を見守るのも楽しい。今後もずっと読んでいきたいと思わせる作家、それが金原ひとみさんです。
引用元:

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