大人のミステリ
![]() | 臨場 (光文社文庫) |
全八編をとおして倉石本人の心情を描いたものはない。他者のくるおしいほどの情念の周辺に、淡々と存在しているだけだ。にもかかわらず、読み進めるうちに、倉石という人間がかたちづくられていく。事件の真相を、冷徹な視点で組み立てていく男が見せる優しさは、胸を熱くするものがある。私の拙い読書量では、このような主人公の描き方をする小説は初めて。
派手な事件があるわけでないけれど、この”臨場”感はたまらない。大人のミステリと思う。
TVドラマでどこまで表現できるかちょっと心配。
引用元:大人のミステリ
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